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今日は私がプラハで一番好きなカフェ、グランド・カフェ・オリエントのご紹介。

まずは短い歴史から・・・。

このカフェは黒いマドンナの家という名前を持つキュビズム建築の珠玉。キュビズム建築で有名なヨゼフ・ゴチャールによって設計、1912年に建てられたものです。当時の文化からは斬新すぎて、市民にあまり理解されない側面も多く、1920年代まで続いたこのカフェも、「現代的ではない」という理由で閉店に追いやられます。長い年月を経て、内装・インテリア、家具も当時と全く同じ色・形で、2003年にリニューアル・オープンされ今に至っています。

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キュビズム様式を持つ世界唯一のカフェとして、ツーリストの観光スポットにもなっていますが、地元民も多く通う「プラハらしい」カフェ。テーブルや椅子などの家具もみんなかくかくとしたキュビズム。フックもキュビズム・・・。建物の地階には19年代初頭にデザインされたキュビズムのカップや家具を購入出来るミュージアムショップもあります。

 

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ランプもキュビズム。

 

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私が気に入ってるのは、なにもそのキュビズムスタイルだけではありません。何と言っても地元民がほっとする雰囲気の良さ。2階で風通しの良い店内は広々としていて、チェコ人のウェイターさんは、とにかくみんな親切。私は仕事や撮影で度々使用していますが、いつも快く友だちのように迎えてくれます。

そう、私のおすすめの時間は日曜日の10時。朝開店一番にクロワッサンと紅茶のモーニングを注文する事。まだ観光客はほとんどいない時間。カフェを独り占め出来る事も珍しくありません。

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こちらはチェコの伝統的なお菓子ヴェネチェク。ヴェネチェクは環とかリースとかいう意味がありますが、グランド・カフェ・オリエントのものはかくかくのキュビズム・ヴェネチェクです。

 

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こちらは日本の音楽デュオ、黒色すみれのお二人のアーティスト写真。今回、グランド・カフェ・オリエントで撮影しました。テーマは大正ロマンと言うことで、1900年代初頭の姿をそのまま残すカフェにて、ちょっとノスタルジックでスタイリッシュな宣伝写真が撮影出来たと思います。

 

時代を超えて愛されるもの、いやむしろ、センスを先取りしすぎて、時を経てから正しい評価を受けるマスターピース・・・。グランド・カフェ・オリエントにはそんなキラキラした空気がいつも流れています。プラハの数多い宝物のなかのひとつです。

https://www.grandcafeorient.cz/ こちらがHP