先週末はチェコのおじいちゃんの家、主人の出身地チェコの地方都市ナーホドに帰省しました。チェコの都市は街の中心に市庁舎や主要な建物がある広場が必ずあります。またその町を代表する老舗ホテルも大体、街の広場に面しています。このホテルは小さな羊の家という名前のついたホテルで、セセッション様式のものです。1889年に市が買取今の様式になったのは1892年に劇場などを増設して改築された当時からです。

Photo by Laima Gūtmane(ウィキペディアから借用しました。)

今日はこちらのホテルで、親戚の皆さんと会食です。このような素敵なチェコの文化遺産を楽しむのも我が家ではほとんど必須科目!
セセッション様式の美しいランプの下で食するのは、毎度定番カツレツ。笑。(とビール。)

 

この後はナーホドの墓地におばあちゃんのお墓参りに行きました。

チェコの墓地はいつ行っても綺麗に整備されお花が溢れているので、行くたびに驚きつつとても清々しい気分になります。風通しが良く日当たりが良く、じめじめした感じはありません。

ちなみにこちらは同じ墓地にある、広島県の物産陳列館、通称原爆ドームを設計したヤン・レツルのお墓。レツルはナーホド出身の建築家です。お墓にはなんと日本語の表記もあります。また、記念に原爆ドームの欠片がガラスケースに収められていました。遠く離れたチェコの田舎町で原爆ドームのかけらを見るとは、なんとも感慨深い気分です。
無事にまたお墓参りもできお花もお供えできて、ホッとした1日でした。その後の出来事については後日またレポートいたします!

(一番上の写真以外はPhoto by Petr Horcicka です。)

 

チェコのインフレ。
2022年8月23日 火曜日

先々週歯医者においてあった新聞で読んだニュースが面白かったので、少しご紹介したいと思います。

チェコではウクライナ危機によるインフレ率が18パーセントと言われていますが、それ以前、すでにコロナ前からの物価上昇も日々の生活の中でかなり感じられていました。
特に電気代とガス代が供給業者による違いはありますが、現在チェコでは値上がり率は200パーセントから数百%までに上がってきています。

寒い冬もガス暖房や電気によるボイラーを使い割と快適に過ごせるチェコですが、このところのガス・電気代の驚くほどの値上がりのため、冬が来る前にどうにかしないとと皆さん考えているようです。

新聞には、とある暖炉販売店は先週(8月初旬)だけで20個の暖炉を販売したが、通常だと20個はその店で一年に売れる暖炉の数だと書いてありました。

8月初旬はチェコでも例年以上に真夏日が多かったような気がします。そんな蒸し暑い時期に暖炉がたくさん売れたなんて・・・。時勢を反映するなんだか不穏な話です。

また、同時に暖炉に焚べる薪の売り上げもかなり伸びているそうです。

物価は、面白いように毎週毎週目に見えてすごい勢いで上がっていますが、これからも上がっていくという話で、どこまでいくのか正直ちょっと不安な日々。
なんでもあって当たり前が、本当にありがたいことだと気付かされます。節約したり、物を大事にしたり・・・本当に大切なことですね。
最近、そんなことが身をもって日々の生活の中で半強制的にぐいぐいと耳を引っ張られるような感じで気付かされます。

何よりもまして、健康の尊さ。そして食事の美味しいこと。食べるものがあること。散歩に行ってベンチで一息つけること。暖かい布団の中で眠れること。

ちょっと前まで当たり前だったことがそうではなく、とても稀有なありがたいことと感じられるそんな日々です。初心に戻ってしっかりと生活していきたいと思います。

 

夏のレトナー・フェスティバル
2022年8月20日 土曜日

18年目を迎える夏のレトナーというフェスティバル。レトナーとはプラハ7区にある公園の名前で、ちょうどニューヨークのセントラルパークのようなプラハっ子の憩いの場です。大きな敷地の中にたくさんのテントが登場し、そこでサーカスやシアター、人形劇やコンサートなど連日たくさんの出し物が用意されています。

本日は、バーボフカ息子と子供のための人形劇に行ってきました。お題は『理解と幸福』。
なんだか哲学的なお題ですが、四歳から楽しめるとかいてありましたので、きっと息子も(また私も!)と思いチケットを購入。

手作りのパペットに一人何役もの人形を操り、また声音を変え、あれやこれやと思考を凝らしたなかなかレベルの高い内容で、子供たちも見入っています。
(理解力と幸運の両方が若い庭師の人生を左右し、逆行を乗り越えお姫様をゲット、しまいには国の王子様になるというお話でした。)

人形の剽軽な動きに心奪われつつも、お兄さんの汗が目に入って染みている姿にハラハラ。

テントの中はかなりムシムシで、頑張れお兄さん!と心の中で声援を送っていたお母さんは私だけではないはず。

のべ40分の物語が終わると、太っ腹チェコ!なんとみんなにパペットを自由に触って良いよということで、パペットはたくさんの子どもたちにいじられていました。

開催は8月11日から31日までまだまだたくさんのイベントが目白押しです。観劇の後は機嫌良く、「また来ようね!」となぜかウサギのポーズをとるバーボフカ息子です。

https://letniletna.cz/ ☜大人も子供も楽しめるプラハの夏のおすすめフェスティバルです。

2022年イースター報告
2022年4月26日 火曜日

今年のイースターは北チェコ・ガラスの街ヤブロネツ・ナド・ニソウにほど近い友人の別荘に誘われて行ってきました。4月後半とはいえまだ雪が残っていて少し山を登るとスキーを楽しむ人もいるほどの雪の多い地方です。北チェコにはこのような漆喰と木で作られたロウベンカと呼ばれる建築がよく見られます。絵本に出てきそうな可愛い建物です。

イースターと一言で言っても、ヨーロッパ中でその習慣は様々。特にチェコではイースターはキリスト教が入ってくる以前の土着信仰に起源を持つとされ、クリスマスと並んで宗教的にも大切な行事となっています。チェコのイースターの習慣は一言で言うと、「鞭と卵」。男性は柳の枝で編んだ鞭を手に家々を訪れて練り歩きます。そして女性を見つけてはお尻を鞭で打つという習慣があります。鞭で叩かれた女性は色をつけたりペイントした卵や手製のパン、また子供たちには卵を象ったお菓子などをあげるというそんな流れです。

鞭で女性のお尻を叩くときや、練り歩く時に歌う歌も沢山あります。ちなみに私たちの小さな息子たちが歌った歌の内容なこんな感じです。

「ご馳走だ、ご馳走だ、練り歩くぞ!色を塗った卵をちょうだい!色塗った卵がなければ、せめて白い卵を!あなたの家に鶏がまた卵を運んでやってくるから!」

さあ、第1軒目。ご近所のお宅のベルを鳴らして・・・「出てくるかなぁ・・・。」

優しそうなご婦人が出てきました!息子たちは例のお歌を歌いながら、お尻をぺんぺん。一通り習慣というか、お約束ですので、叩かれる方もお尻をちょっと突き出して・・。ww

そして差し出されたのは、お手製の小さな甘いパン。なんとも可愛いウサギの形のパンです。(ウサギもイースターの豊穣と多産を象徴するアイテムの一つですね。)
お目目がレーズン、ご近所のおばさまの手作りのパン!素敵ですねぇ・・。息子たちのために焼いてくれたんだわと思うと一気に心がほかほかしてきます。

その次のお宅のおばさまも優しそうです!息子たちは美味しいお菓子やパン、卵がもらえると理解すると、だんだん調子が出てきました。笑

お母さんが終われば、娘たちのお尻をぺんぺんぺん。

一個?いや2つ?もっと??とついついたくさん取ろうとするバーボフカ息子。母の制止に「いっぱいとってもいいのよ。」と優しいお姉さんの一声。

小さな息子たちは沢山の戦利品をカゴに入れてとっても嬉しそうです。
とは言っても、この日この村ではあまりイースターで練り歩く人を見かけなかったのも事実。地元の人に聞くと年々参加する人が少なくなっているそうで、「だんだん廃れてきて寂しくなってきたねぇ。」とおっしゃっていました。
昔は(地方の村では今でも)鞭で女性を追い回して思い切りお尻を鞭打ってあざができたり、かなり痛い思いをした女性も少なくないようで、イースターのチェコの習慣が嫌いという女性が半分以上という記事が最近新聞にも載っていました。なかなか特異な習慣ということで敬遠されている側面もあるのかもしれません。またプラハなどの都市部ではもう何十年も前から、このイースター行進は行われることがないそうです。

春の到来を、その年の豊穣をお祝いする素敵なチェコのイースター。私も朝一番でご近所の青年に思わずお尻を叩かれましたが、こんな楽しい伝統&習慣ですからいつまでも続いて行ってほしいものです。

 

 

 

 

 

先日は友人に誘われて、プラハ・ジシコフ地区にある市の建物の中庭に畑仕事に行ってきました。というのも、この建物を使用する非営利団体が主催して、地域住民で中庭を有効利用しようということで、ハーブやちょっとした野菜を作るプロジェクトを立ち上げたということ。畑のある中庭は、建物の鍵の管理が難しいことから少数精鋭の人選で(冗談です。)数人で管理することになり、我が家は今年からうちの建物の中庭が使えなくなってしまったので、喜び勇んで家族で参加しました。「ここを畑にねぇ!よーしやるぞぉ!!」

早速土を耕すところからスタート。ご近所の仲良し家族も参加して、一緒に作業しています。(ちなみにこの日は4月のお天気、三寒四温。雹が降ったり、強風に襲われたり、そうかと思えば、お日様ポカポカだったり・・・お天気模様乱高下の数時間でした。)

うちのバーボフカ息子も出立だけはなかなか様になっています。(写真で見ると一段と大きくなって親ながらびっくりです。💦)

こちらが主催者の男性。誘ってくれてありがとう!!これからも水やりなど頑張ります!

こちらがかの我らがジジコフ少数精鋭部隊。何の種を植えるかのミーティングはイースター休み明けに開催されます。我が家はイチゴを植えたいのですが、イチゴは水やりが毎日必須ですよと言われ、諦め気味の現在です・・・。ちなみにコロナ最初の春は我が家の中庭で大根を植えました。今年の収穫には何が取れるでしょうか。また随時レポートする予定です。

ひと仕事の後は、ビールとシュニッツェルで乾杯が(私のいうところの)チェコ式です!:)