プラハの春2019
2019年4月10日 水曜日

先日4月6日、友人に誘われてペトシーンの丘のふもとにお花見に出かけました。

今年プラハの開花は例年より2週間以上も早くほぼ東京と同じ時期になりました。
いかにチェコが年々暖かくなってきてるかを感じます。最近気がつくとプラハの変わっていくスピードについていけず、昔を思い出しノスタルジックな記事を書いてばかりな気もしますが、この日も街中の観光客との喧騒を避けて、こののどかな風景をまた今年も楽しめたこと、なんだかほっとしました。

背景のリンゴの木や桜の木は違っても、多分何十年前もいや百年前も、きっと同じようなのどかな自然の中に全く変わらないプラハ城が見えていたはずです。

プラハはここ数年ガイドブックを出版した私でさえ、新しいお店やビルなどを全く把握できないくらいのすごいスピードで変わっていっています。国外からの資本が大量に流れ込み、街中の商業ビルや住居ビルがロシアやイタリア、中国などの投資家の手に渡っています。私たちもその波で今回2月に引っ越しを余儀なくされました。

バーボフカや私のガイドブックにてチェコとプラハの素晴らしさ、面白さ、美しさ…いろいろな側面から紹介してきましたが、ここ7、8年観光客の数は例年増え続けそれによって街も大きく変わりました。たくさんの魅力的なカフェ、また高級なブティック、またホテル、ホステル、ペンション、Air bnb、街は賑わいを加速させていますが、暮らしている地元民にとっては小さな商店や個人営業のお店が減り、また住居用のアパートが不足する社会問題も発生し、不動産や賃貸の値段が高騰するバブルを迎え、便利とは言えない事態も発生しているという側面もあります。

私も外国人の一人。永住権をもらいチェコ人と同じ保険や税金を払って生活していますが、自国民としてのチェコ人(特に低賃金の家庭)の暮らしが窮屈になってきていることがとても気になります。

まさに時代の波。これからもきっとこの速度はしばらく続くそんな感じがしますが、それが一旦収まったときにチェコは予想もつかないところに流されているような予感を抱えています。

この日のコットンブルーの空の下、少なくともこの景色は10年後も20年後も変わらないことを祈っています。

チェコと日本の二つの国籍を持つ息子は15ヶ月になりました。

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