先日はチェコのクリエーターで私の友人のマレクとテレザさんに誘われて、プラハからバスで半時間弱のプルーホニツェというお城に小旅行に行って参りました。お城に展示していた作品を引き上げるためでしたので、私には作品を1人じめで鑑賞出来る良い機会になりました。
こちらがプルーホニツェのお城。本当におとぎ話に出てきそうなお城です。
先日、こちらのお城で日本フェスティバルが行なわれていて、彼らも日本にインスピレーションを得た作品を展示しているこの事。
こちらはマレックさんの作品。蟻やムカデなどの昆虫をテーマに作品を作る彼ですが、今回の展示はなんと印鑑。彼らしい繊細なタッチでハンコの中には蟻やムカデがひしめいています。
私のお気に入りはこちらの羽虫のハンコ。
http://www.marekskubal.cz/ ←こちらから彼の作品を見れます。
彼女であるテレザさんの作品も隣のケースに展示されていました。彼女は海の中の生き物や蝙蝠などをテーマにした作品を制作しています。こちらはカモノハシのオリーブ皿。
下は子供のトカゲのブローチ。ネックレスもあり身につけると以外としっくりキュートです。
タツノオトシゴの湯のみもあります。陶器肌が薄くて光を受けると美しい陰影が。
https://www.facebook.com/KARETKAdesign.porcelain.art/?fref=ts ←こちらでテレザさんの作品が見れます。
展示を見るついでに、普段は見れないお城の中もこっそり見せて頂く事が出来ました。こちらは荘厳な雰囲気いっぱいの騎士の間で、セレモニーなどに使用されます。
レリーフの美しい暖炉にうっとり・・・。
いつ見てもお似合いのカップル。マレクとテレザさん。私の大好きなお友達です。
お城には鷹やミミズクも飼われていて餌付けの時に、こうやって腕に泊まらせる事も出来ます。広いお庭もあり散歩におすすめです。 二人のおかげでとてもいい息抜きになりました。
日本の友人でミュージシャンの黒色すみれがプラハにやってきました。
目的はプラハでのコンサートと新しく出るCDの宣材写真を撮影すること。
今回プラハのコンサートのオーガナイズはバーボフカチームでお手伝い。決定したのはチェコ共和国初代プレジデント、ヴァーツラフ・ハヴェル首相を輩出したハヴェル家の所有する由緒正しいルツェルナ宮殿の屋根の上。プラハ城も見えるとても眺めのいい場所です。
チェコ人を中心にたくさんのお客さんも来てくださり、チェコ人のお客さんに撮っても普段あまり入ることのできないルツェルナ宮殿の屋上からの眺めを楽しめる嬉しいイベントになりました。
夕暮れ時の美しい時間にコンサート、スタートです。
ヴァイオリンさちと歌とピアノ&アコーディオン担当のゆか。
5月といってもプラハはまだ肌寒い季節。いつものエクストラヴァガントな衣装に身を包み、全力投球の演奏に、チェコの観客からはたくさんの拍手が沸きました。
下に見えるのはヴァーツラフ広場から伸びるシュテパーンスカー通り。
バーボフカチームのペトルは、お客さんの問い合わせにコンサート中も対応です。
第2部は屋上の真下にお住いの文化人、コブザさんのプライベート・スペースにてまたまたアットホームな楽しいコンサートになりました。独特な歌声と軽快なヴァイオリンに、音楽にはちょっとうるさいチェコ人も心からの拍手喝さい。企画した私たちもホッと一息。喜びと安堵の気持ちがこみ上げてきます。
プラハでも珍しい場所での、日本の珍しいデュオのコンサートに取材を受ける場面もありました。
コンサート終了後、記念撮影!
日本女子パワーと可愛さの炸裂する彼女たちはチェコ人にも大人気でした。
黒色すみれの8thアルバム となる新しいCDは7月26日の発売です。
タイトルは「拾肆-14-」。
詳しくはこちらhttp://www.kokusyokusumire.net 黒色すみれオフィシャルサイトにてご参照ください!
今日は暗室作業をしなくてはいけないのに(しかも日曜日)外はお日様の照るいいお天気。太陽に当たるのも大事だ!ということで、仕事を中断してとりあえず散歩に出かけることにしました。
観光客でごった返すカレル橋に、少々食傷気味になりながら、そそくさとマラー・ストラナにある私の大好きな公園を目指します。
こちらはZahrada pod Hradem(城下公園)というプラハ城のすぐ南側に位置する公園です。私のガイドブックでの一押しとして紹介していますが、訪れる人は少なく、ずばり穴場です。
https://www.palacove-zahrady.cz/cs ←こちらがその公園のリンク。入場には80コルナほどかかりますが、私は無期限のフリーパスを持っていて(自慢です。:))何かと息抜きによく訪れます。
今日も人はほとんどいません。プラハはタダで入れる公園も多いので、入場料を取るということがハードルになっているのか・・・。でも払ってでも入る価値があります。閉園になる10月まで四季折々のお花や果物の木ずーっと楽しめて、秋の季節などは春よりも華々しいぐらいです。
愛しのプラハへ ちなみにこちらが私のガイドブック。まだの方は是非是非。(宣伝でした〜。)
今日は黄色の小さな花が石垣を埋め尽くす感じでいっぱいに咲いていました。
公園には、カラフルで可愛いベンチがいたるところに置いてあって、プラハ小地区の全貌を独り占めで楽しむことができます。皆様のプラハにお越しの際は是非訪れてみてくださいませ。
今日はヨーロッパカリグラフィーのコースに行ってきました。
こちらのコースは最近知り合いになったカリグラフィーの第一人者ミーラ・プロクポヴァーさんの教えてくれるコースです。ロマネスク時代の文字からゴシック、バロック・・・彼女の手にかかれば、サラサラ流れるように文字が生まれてくる、彼女はそんなカリグラフィーの達人。今日はそんな方に文字お教えていただける、私にとっては夢のような休日です。
参加応募のすぐにいっぱいになったそうで、年代も性別も様々な参加者が来ていました。
文字の歴史の授業も大変興味深い内容。こちらは黒文字と呼ばれるゴシックのABC。
下はミーラさんがカレンダーを製作した時に書いたゴシックの飾り文字。美しさとともにその長年の匠の技に見とれてしまいます。
ミーラさんと一緒に、私たちもモノグラムに挑戦することに。自分のイニシャルの大文字をどのようにバランスよく、しかも美しく重ねるかが一番大事。
ミーラさんのスラスラ書いた見本を見入る生徒たち。
書けば書くほど迷宮入り・・・。ミーラさんのように美しい字を書けるようになるには、やはり長年の鍛錬が必要だと痛感しました。とりあえず次からは中級者に昇格ということで、初級者の卒業証書をいただきました。目の前で私の名前を書いてくださるミーラさん。滑らかな筆さばきに息を呑みます。
「チェコ人の黄金の手」という言葉がありますが、チェコにもまだ手作業を尊ぶ習慣がしっかりと根付いています。ミーラさんも「これからまたハンドライトが戻ってくるわよ。」とおっしゃっていました。
本場ヨーロッパのカリグラフィー体験。次の中級コースのレポートも乞うご期待!
実はここ数年、ガラライトと呼ばれる素材(日本ではカゼイン樹脂と呼ばれています。)に夢中になっています。カゼイン樹脂というのは、牛乳のタンパク質から作られるプラスチックのこと。
もともと2012年ごろ手に入れたガラライトと呼ばれるプラスチックのブローチに出会い、そこからそのカゼイン樹脂への興味が湧きました。それまではプラスチックはプラスチックという認識しかありませんでしたが、ベークライトを含め様々な種類のプラスチックが存在することを知り、特にミルク・プラスチックなんていう言葉が、私の興味をとてもそそります。
調べてみると、ガラライトのボタンはイタリアやオランダ、もちろんチェコなどヨーロッパ中で作られていたようですが、現代はチェコを含め、もうほとんど作られていないそうです。(日本ではまだ群馬県などにカゼイン樹脂のボタンを作っている工場があるようです。)
日本でも一部のボタンファンの間で人気のあるカゼインボタンですが、私のチェコ・ガラライト・ボタン・コレクションも時間をかけて少しずつ増えていきました。
なんといっても、ガラライトの表示がないと見分け方が難しいガラライト、熱湯に浸した時の柔らかい質感や匂いなど、今までに調べた方法や知識で随分見分けがつくようになりました。そして、出会ったのが現在でもボタンを製造しているチェコの大手ボタンメーカー、スティルという会社。
ひょんなことから手に入れた古いボタンカードにガラライトの表示と会社名STYL・・・さっそくコンタクトをとってみることに。STYLは工場のある地域でボタンを作り始めて今年117年、工場設立67年のとても古いチェコのボタンメーカー。
数回のやり取りを経てプラハでお会いできることに! 工場は車で2時間かかるチェスケー・ブデェヨヴィツェにほど近い場所にありますが、プラハ出張でいらっしゃっていた社長さんと従業員の綺麗なチェコ人の女性に貴重なお話を聞くことができました。彼女はボタンのデザインも手がけているということ。
写真は社長さんとガラスのデザインも手がける女性従業員。ちなみに素敵な会合場所はプラハの老舗カフェ・ルーブル。
なんと今回数枚のガラライトのボタン見本票もお土産にいただけるということ。
社長さんは1982年からこのボタン工場に勤務されている古株ですが、就職した時にはすでにガラライトのボタンが作られなくなって長い年月が経っていたと言います。
こちらがガラライトのボタン見本。ボタンもそれぞれ個性的ですが、見本票自体のデザインやフォント、手書きの文字や、会社印など一つ一つ丁寧に作られていることがわかる、素晴らしいデザインでした。あー、これこれ、この質感・・・。私が熱湯を通す匂いでのガラライトの見極め方や質感など熱く語ると、びっくりした表情で面白そうに聞いてくださいました。
美しいボタンの見本票にしばしうっとり・・・。その後私の持って行った彼らの会社名が入った古いボタンカードを差し上げたのですが、彼らは彼らでその古さとボタンの美しさに大変驚いていました。「こんな古いものをどこで手に入れたのですか!?」と聞かれましたが、それはバーボフカ店長ですので、欲しいのもは探しますよーww。そのカードは会社名から50年代のものだろうとおっしゃっていました。
原料が手に入らなくなってきたこと、また現在のプラスチックであるポリスチレンがその材料に取って代わったことなどで、その工場では70年代で終わりを告げたガゼイン樹脂の製造。製造方法も今のボタンの製造方法とは全く違うものだったそうです。
また調べていくうちに、製造方法は今のプラスチックのボタンよりもなかなか手間のかかるものだったことがわかってきました。
ガラライトをめぐる迷走はしばらく続きそうです。
取材に応じてくれたSTYLの会社に心からお礼申し上げます。
STYLホームページ:http://www.buttons.cz