ガラスボタン工房へ
2020年7月14日 火曜日

先日はガラスボタンの工房に家族でお邪魔してきました。工房といっても手打ちと研磨の成形工房と、絵付けの工房とあり、今回はすでに日本でもテレビなどで数回紹介され、ちょっと有名になりつつある手打ちの方の工房にお邪魔しました。写真に写っているのはガラスボタンの会社社長のフィエルさん。私もフィエルさんとはかれこれ長いお付き合いになります・・・。00D6A2530

 

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こんにちはと扉を開けるともうすでに黙々と作業をしている手打ち職人さん。火の入った窯の暑さをしのぐため、朝早く3時4時ごろから作業を始めるのはチェコ中のガラス職人さんの常識。この日も午前9時に伺いましたが、一時間後には仕事終了となりました。

ガラスボタン 棒ガラス

出番を待つ棒ガラスたち。棒ガラスも黄色やピンク色と入った薄いカラーのものが特に貴重だとか。

ガラスボタンの型

そしてこちらは出番を待つガラスボタンの型たち。古いものは150年ぐらい使用されているものもあります。

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棒ガラスの先端が窯の中に入れられ溶けていく様子です。火の色が透明のガラスから透けて見え、まさにガラスがボタンとして生まれ変わる直前。

00D6A2057ガラスの棒がボタンとして一つ一つ手作業で打ち出されていきます。大きな背中を上下させてなかなか力のいる作業のようです。手打ちの職人さんはなんと15歳からこの仕事を始め50年以上も続けているベテランです。

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型をしめ、ガラスの棒をずらして、ボタンの原型が出てきます。この後またボタンをひとつひとつをはずして、研磨の作業が待っています。
実際に見ると成形だけでもとても手間のかかる作業ということがわかります。

 

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型を変える合間、出来上がったボタンの品質チェックをしています。この時フィエルさんの手のひらには小さなウランガラスのボタンが載っていました。
ちなみにフィエルさんは息子をとても可愛がってくださり、お散歩に連れて行ったりブランコに載せてくださったり・・・。
気がつくと息子はフィエルさんにすっかり懐いておりました。私たちで撮影の時は窯で火傷をしないように子守をしてくださり、とても嬉しかったです。

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もうひとり手打ち職人さんを含め、2人の手打ち職人さんとフィエルさん、3人揃ってみんなオーバー70歳だよっと笑っていらっしゃいました。
美しいボタンを生み出すこの現場も長い時間の流れが感じられ、古い道具や空間の生み出す独特の雰囲気が感じられました。後継者が見つかりこの窯の火が途絶えないことを心から祈っています。