今日は鹿のお肉でグラーシュを作りました。
グラーシュはハンガリーがお家元のチェコを含む中東欧に伝わる伝統料理。パプリカ、クミン、マジョラムなどの香辛料といっぱいの玉ねぎを使う煮込み料理です。
最近チェコの森では鹿やイノシシなど野生動物たちが増え、森の維持のためハンターたちが増えすぎた動物たちを間引きをしているというニュースがありました。
またその動物たちのお肉を検査後、食肉として販売しているということもあり、興味を持った主人がジビエの食肉をインターネットで調べていると、お肉屋さんで販売している普通の牛肉よりも安いものが結構あります。
ということで、私も主人も山鹿のお肉を食べた経験はありませんが、買ってみることにしました。
買ってみると、森を走り回っていた鹿さんだけに、硬い筋が肉の合間をしっかりホールドしているという感じ。レシピには筋を取り除きますと書いてあるものの、どこまで取ればいいのやら・・・。筋が多いから安いのかしら?硬い筋は長く煮込んでも硬くて食べられないということもあるのかしら??経験がないだけにだんだん不安になってきます。
筋をせっせと取り除く横から主人が、鹿の肉がどんな味なのか、炙っただけの味を試食してみたいと言います。
筋のない肉部分は殊の外やわらかいので、筋の付いてない小さな肉片を少しステーキ風に焼いてみることしました。
塩・コショウ、ニンニクと醤油で炙って食べてみると、香ばしくて鉄分の多い味。でも臭みはほとんどなく、とても美味しかったこと。
ということで少し脱線したものの、初めての食材、色々と勉強になりました。
圧力鍋で4時間ぐらい煮込んで、鹿さんのむきむきの筋肉も美味しく食べられるほどの柔らかさに。付け合せはもちろんクネドリーク(ソース料理につく蒸しパン的なもの)。さらに「やっぱりグラーシュにはピルゼン(ピルスナービールの略称)だよね!」といことで主人は慌ててビールを回に走り、チェコの正しい週末料理の完成です。
森の中のものをもりもり食べて大きくなった鹿さんのお肉には森のミネラルも栄養分もたくさん。牛肉のグラーシュよりもさっぱりした食後感でした。
山鹿さん、命をどうもありがとうございます。ごちそうさまでした。