3月ハード・ロックダウン
2021年3月11日 木曜日

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お天気の良い週末、お散歩に出かけました。うちからすぐ近くにあるヴィートコフという国立記念碑のある丘へ登りました。本当は息子を連れて遊具のある公園に行きたいところですが、チェコはまたハード・ロックダウンの最中。遊具のある公園は今でも人出がとても多くて、イギリス変異株が拡がっている現在の状況を考えると安全とはいません。

チェコの状況、なかなか日本では報道される機会が少ないようですので、ここで少し皆様にお話しいたします。
チェコは今第3波の厳しい洗礼を受けています。3月1日からとりあえず3週間のハード・ロックダウンがはじまりました。
それまで毎日の感染者数が一万人、一万五千人とほぼ一ヶ月に渡り記録的な数がでて、人口当たりでは世界最悪の状況になってしまいました。

第一波を早急に押さえ込み、拡大阻止に成功したという自信が逆に禍したということ、またクリスマス前の非常事態宣言一時解除で人の行き来が一気に増えたことなどが原因となってそのころから、じわじわと感染者数が増加したこと、また制限の続く生活に疲れてコロナウィルスに対する警戒の気持ちが薄れてきていること、政治不信によりマスク着用や衛生に気を使う配慮も薄れてきていることなどいろいろな原因が聞こえてきます。

1000万人の人口で毎日7000-8000人の人が病院へ担ぎ込まれる状況で、地方都市では医療崩壊も始まっています。

最初のコロナ騒動から早1年以上、みんなの心に疲れが出てきているのは、否定できない事実です。ですが、周りの人にもたくさんの感染者、知り合いや知り合いの周りには死者が出ているというこの状況で、もう一度団結して感染を食い止めなければ今度こそ大変な事態になるのは明らかです。

幼稚園も今はもちろん閉園ですので、私たちはほぼ毎日密を避けることのできる場所へ散歩をしています。

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丘の上からはジジコフのテレビ塔やオレンジの屋根並みが見えます。ぽかんとしたいい陽気ですが、屋根だけ見てもなんだか街がひっそりしている空気を感じるのは私だけでしょうか。

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息子はお気に入りの幼児用バイクでお出かけ。外出には2歳以上の子供達にもマスク着用の義務があり少しかわいそうです・・・。

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丘の上のヴィートコフ国立記念碑に着きました。こちらは1928年から1938年チェコスロバキア軍団を記念して建立された記念碑で、共産主義時代には大統領廟としてクレメント・ゴットワルド大統領の遺体も安置されていたそうです。(現在遺体は火葬されていて残っていません。)正面に立つ堂々とした像はヤン・ジシュカ。1420年ヴィートコフの丘の戦いで十字軍を打ち負かしたチェコの英雄です。ちなみにこの青銅製の像は世界で3番目に大きいそうです。

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下から見るとまた、お馬さんの鼻息が聞こえてきそうなすごい迫力です。1950年からこの場所にある像で、彫刻家のボフミル・カフカの作。

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記念碑の丘からは西側にティーン教会やプラハ城も見えます。untitled-1568

登って降りるだけの散歩です。通常だと記念碑の中の喫茶店でコーヒー、息子にはジュースといきたいところですが・・・今は(もうずーっと)お店はほとんどすべてしまっていますので、外でもほっと一息がなかなかできない状態です。

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期待していた毎年見られる水仙の花はまだ蕾も見えず、花たちが咲き誇るのはもうちょっと先かしらと思っていたら、路傍に咲いていました、セドゥミクラースキ(チェコ語)ひなぎくの花。コロナも自然は我関せずなのがほっとします。自然が毎年決まって見せてくれる面々が、先行きの不安な今の時代には一番確かなお約束のようなそんな気がします。これからの花々が見られる季節が楽しみです。