チェコでは8月の後半に毎年恒例で行われる国際フォークロア・フェスティバルがあります。我らが街、ナーホドからなんと15分もかからない小さな町、チェルヴェニー・コステレツで開催されますが、この期間はチェコ中からこのお祭りのために、沢山の観光客がこの街に集まります。なんと今年で71年目。世界で一番古い国際フォークロア・フェスティバルなんだそうです。
中世の時代を思わせるベルギーの旗の演舞から始まり、こちらは ↑ とってものどかな雰囲気のパルドゥビツェ市からのフォークロアです。
こちらはスロヴァキアのブラチスラヴァから。回れー、回せーの賑やかな可愛らしいダンスを披露してくれました。
ちなみに、この日は雨も降りとっても寒い日になりました。吐く息が白く、朝方はなんと5度前後!それでも観客席はたくさんの人でいっぱい。
こちらは見ての通り、スコットランドのバグパイプと太鼓の演奏。各国のカラーがそれぞれ際立って「伝統」ってやっぱりいいなーって心が熱くなリます。
こちらは観客投票で一位を獲得したアルゼンチン・チーム。情熱的、感情豊かな印象深いダンス。踊ってる皆さんが一番楽しいんだろうなと感じさせる熱量高いパフォーマンスでした。
周りにはローカルな伝統工芸品や食べ物の屋台が出ていました。こちら、食べる時は(飲む時も笑)ご機嫌のお馴染みのバーボフカ・ボーイズ。もう15年も同じ人がテントを出しているチェルヴェニー・コステレツの豚肉のグリル、とっても美味しかったです。また来年もきっと来ようと思います。
皆様大変お待たせいたしました!ついにバーボフカ・ショップを再開いたしました!引っ越し先をお知らせしていませんでしたが、改めて私たちはこの度ポーランド国境から5km、チェコ北東にあるナーホドという街に引っ越して参りました。プラハからはバスか列車で2時間半、この街はバーボフカ主人の生まれ育ったところでもあります。バーボフカ息子が何よりもテンションを上げて遊ぶのがこの街に住むおじいちゃんのお庭であること、大きなアパートからお城が見えること、またお月さまお星様が見えること、暗室(私の本業である写真をプリントする場所)スペースが確保できること、そして何より家賃や物価がプラハよりも割安であることなどなど、沢山のプラスがあり、良い物件が出たところで全員一致でプラハからの移転を即決しました。2ヶ月半前に引っ越しを決めてからやっと一段落、これから引っ越しで発掘されたとっておきのヴィンテージ商品も併せて、いつものゆるゆるペースでお店を運営して参りますので、皆様ご愛顧をまたどうぞよろしくお願いいたします。
引っ越してからすぐに、義理の姉が息子たちを連れてガラスのイベントに連れて行ってくれました。私の印象ではチェコは「森のあるところに、ガラスあり」みたいな感じなのですが、ナーホドは北も南もたくさんの森に囲まれています。
イベントが開催されたのはオルリツケー・ホリ。「鷲のいる山」という意味の森に囲まれた自然の大変豊かな美しい地域です。チェコ在住20年で初めてきたわーと感慨深い私。
繊細なガラスのお花を製作しているお姉さんのテント。
こちらはガラスのビアジョッキやランプ、グラスなどを作っているお兄さんのテント。ナーホドに越してきていなかったら訪問出来なかったイベントだわーと思いながら、写真を撮っていると、このお兄さんなんだか知ってる気が。もう15年以上前のことでしょうか、友人が通っているガラス学校の先生がプラハでガラス吹きの実演をするということで、写真を撮影してさしあげた、その先生でした!
思わぬ邂逅に「イエーイ」と写真を撮って、先生の生徒さんだった友達に早速写真を送付しました。(先生のお手製の鳥さんの文鎮は後日バーボフカで販売予定ですのでご期待ください。)
ちなみにこちらのとっても可愛い鳥さんたちも後日販売いたします。
ガラス吹き名人たちの実演をお利口に見入るバーボフカ息子。
ひとしきりイベントを楽しんだ後は、鷲の住むその深い森の中へ散歩に出かけました。入り口は広い道があり歩きやすいですが、この後道は細くなり、倒れた木に道が邪魔されたり、一面が湿地に変わったり、小川を渡ったり・・・大変ワイルドな2時間の散歩で、まだ街の人が抜けないバーボフカ母はヘトヘトになりました。
開けた目の前に佇む大きな切り株を発見。引っ越しを祝って息子と記念写真を撮ってもらいました。散歩はワイルドでしたが、鳥の囀りを聞きながらおいしい空気をたくさん頂いてとてもいい気分転換ができました。新しい土地で幸先の良いスタートを切れたような気がします。
楽しみにしていた写真展のオープニングパーティーに行ってきました。子育てに没頭する現在の私、オープニングパーティーなんてどのくらいぶりかしら、今回はチェコのフォトグラファーの中でも、個人的に大好きな作家さんですので、会場に入る前から心躍ります。会場はUMPRM(ウンプルム)チェコ工業美術大学併設の美術館です。
まずは、ウンプルム写真部門の部長、ヤン・ムルチョフ氏のご挨拶。たくさんの方々が来場していますが、全体的にちょっと年代高めです。今回の回顧展の作者フレッド・クラメル(1913−1994)はチェコで1930年代からコマーシャル・フォトグラファーとして活躍した人物。ちなみに、ユダヤ人として強制収容所に収容されつつ、1945年に収容所から解放された時は体重が40キロを切っていたと言う悲しい体験も、部長さんからお話がありました。
年代順に展示され一番古いモノクロの1930年代の広告写真から。レンズのボケの選択、照明の当て方、構図、全てが緻密に計算された心地よい一枚。さすがです。
ガラスは撮影モチーフの中で最難関と言われます。ガラスのグレーヴィングに最大のコントラストを作り出すこのライティング、私もたまにガラスを撮影するので(ガラス撮影は楽しい!)しばらくじーっと見入ってしまいました。
モノクロの後は彼の写真の真骨頂、カラーの広告写真の展示が始まります。社会主義時代、企業は全て国営で、クラメルは海外輸出に焦点を当てた国営企業の製品の広告写真を次々に撮影しました。社会主義時代の当時大きなアトリエを持っているということも、稀有だったということです。こちらはバーボフカでも主要商品となっているガラスのアクセサリーを世界中に輸出してきた国営企業ヤブロネクスの広告写真。私のよく知るスタイルやモチーフがちらほら登場します。ツェントロ・テックスという布専門の国営企業のポスターも・・・。ガラス製品や布製品はいずれもチェコを代表する輸出品でした。
「この写真はどこかで見たことある」という写真もたくさん展示されていました。見てください、この正しいレトロ感。1960年代のヤブロネクスの広告写真。
こちらはヤブロネクスがかつて顧客用に作ったカレンダー。イラストや写真の切り抜きをコラージュした、こちらのチェコスロヴァキア・レトロが炸裂するハイセンスな作品!
カレンダーにも使われているこちらの写真は、彼を知らずとも、チェコ人なら写真を見たことがあるという、イコニックな作品の一つです。
こちらもヤブロネクスの広告写真。鳥籠をそのまま帽子にしちゃえって、思いつきだったのか、緻密な計算なのか・・・うーん、それでも完成度の高い作品になっている・・・。さらに、帽子飾りにさりげなく、吹きガラスの飾り(太陽)まで盛っている・・・。
いずれにせよ、改めてチェコスロヴァキアのレベルの高さを思い知ります。
はい、問題です。これはどの企業の広告写真でしょうか。正解は造花!造花もチェコスロヴァキア時代、お隣のドイツなど輸出品目として生産されていました。当時から本物のような完成度の高い商品として定評がありました。
ご一緒したプラハのヴィンテージショップの店主で友人のイヴァナさんに恥ずかしながら私も一枚撮っていただきました。イヴァナさんは私より世代の高いファッションリーダーのお一人。1960-1970年代のファッションを自身のファッション黄金期を通して、写真の細かなバックグラウンドや歴史を説明してくださいました。
1970年代のストリート・ファッション写真。奥に写る杖をついたお婆さまがまた秀逸。先ほどのイヴァナさんによれば、「私たち(イヴァナさん当時ハイ・ティーンから20代前半)はこの頃もっと短いスカートか短パン、この膝上丈は20台後半から30代以降が着てたわね。」とのこと。当時は40歳でもこのくらい短いスカートを履いて皆さん街を闊歩されていたとか・・・。
ハイセンスな素晴らしい展示でお腹いっぱいになった後、帰路にはさらにこの景色!(ちなみにウンプルム美術館はプラハの春の音楽祭のメイン会場でもある芸術家の家ルドルフィヌムの目の前にあります。)家で主婦と母業に専念しすぎて、この景色をちょっと忘れかけていた私。季節も良くなってきたプラハをもっと楽しまなくちゃもったいないと改めて感じました。
先日、南モラヴィアの街、ウヘルスキー・フラヂシュテェに2泊3日で行ってきました。地元のクリスマスイベントとクリスマスマーケットに合わせて、風呂敷と日本式ラッピングのワークショップで講師を頼まれたために息子と小旅行で、プラハから列車で4時間弱の旅です。ちょうど到着の日はこの街・ウヘルスキー・フラヂシュテェでクリスマスマーケットが準備中で、ツリーの元には子供たちがチェコのサンタ的存在であるイェジーシェク(小さなイエスという意味)に思い思いにメッセージを綴れる手紙ボックスが設置されていて、バーボフカ息子も早速願いを綴っておりました。
次の日。街の広場にマーケットのテントが設置されています。ちなみに風呂敷と和風ラッピングのワークショップは講師でしたので、写真が撮れませんでしたが、年代を問わずたくさんの女性たちが集い、地元のテレビ局も取材に来てくれました。ちなみに、小さなニュース映像はこちらでご覧いただけます。
地元の民族衣装を纏いクリスマスソングを歌う女声合唱団。いつも見ても聞いても素敵ー!
冬の男性の民族衣装の装いもとても趣があって素敵です。
繊細な吹きガラスのクリスマス飾りのテントも。
「花より団子」ではありませんが、(笑)我が家のお目当てはモラヴィア名物、ブドレチュキ、またの名をスヴァテブニー・コラーチュキ(結婚式用の小さな小ラーチという意味です)。
モラヴィアで作られる一口サイズのパイで、中には主に甘酸っぱい凝乳が入っています。私たちの他にも買い求める地元民が行列を作っていました。
「何個買う??10個?15個?20個??」という家族会議の後、「お母ちゃんは知らない人みたいにあっちに行ってて!」ってバーボフカ息子。(笑)結局バーボフカ父のお土産も兼ねて、20個に決定!300コルナを握りしめて、一人でお買い物です。一人でできるとなんでも嬉しいお年頃。
(プラハまで潰れないように持って帰らなくちゃ・・・)
今年もあと数日で年が明けます。年末の忙しさの中でいつもの日常が平穏に過ぎることが、とても有り難く幸せなことと思います。
今年も皆様には大変お世話になり、心より御礼申し上げます。
皆様、どうぞ心健やかな楽しい年末年始をお過ごしくださいませ。
プラハより、バーボフカ一同。2024年12月22日
ついに師走に突入ました!我が家は家族揃って近くの広場のクリスマスツリー点灯式に行って来ました。いつもはファーマーズマーケットが開催される広場ですが、趣と商品を変えてクリスマスマーケットが軒を連ねています。シナモンなどの香辛料を入れたホットワインやグリルのチーズ、またクリスマス用の蝋燭などが売られていました。テント付近はかなりの人でごった返し、改めて冬が来たわー、今年ももうすぐ終わるんだわーとちょっと感慨深い気分に・・・。
いつもは遊具や砂場のある小さな普通の公園が、ツリーの点灯式に合わせて、藁で遊べる子供用のプレイスペースになっていました。高く積まれた藁の上で遊具などなくても、転げ回ったり藁を投げ合ったり、子供たちはワイワイキャーキャー遊んでいました。
ツリーが点灯する前、今年のツリーはどこにあるのかしらと友人と話していたら、なんと私はツリーの木の真下に立っていたようでした。今年は遠方から運んでくるもみの木ではなく、公園にある大きな木にライティングの飾り付けがされたようです。今年はシンプルな赤いハートのライティング。外の気温はとても低いけど、心がぽかぽかしてくるような素敵なライティングでした。チェコも日本の皆さんもどうぞ素敵なクリスマスを過ごされますように!