イースター再び 2023
2023年4月11日 火曜日

今年もやってきました、イースター。我が家は去年と同じスケジュール、去年と同じ友人の別荘にお邪魔しました。北チェコのイェゼルスケー・ホリと呼ばれる地域でかつてガラスの生産地としても知られた地方。子供たちも再会をとても楽しみにイースター2023年スタートです。この日は聖週間の金曜日。子供たちは鞭を片手に村を練り歩き卵(とお菓子)をもらう月曜日を楽しみにしていますが、それまでにはいろいろな準備が待っています。

日が明けて土曜日。まずは鞭作り。昨年は川縁を歩いて柳などの細枝を探しましたが、今回近くの丘の頂上に枝を用意したワークショップがあるということで、子供たちと森を抜けて古い展望台のある丘の上に向かいます。

ちなみに森の途中では、こんな小人の家に遭遇することがあります。

ありました!小枝の鞭のワークショップ。各人思い思いに材料をもらい、子供たちのために鞭を編んでいます。

丘の上まで3kmぐらい歩いたでしょうか。鞭もできたしほっと一息。休憩がてらの一杯。あちこちですでに祭りモードになった人々が楽しい時間を過ごしています。

私も頂いた材料で挑戦。バーボフか息子のため少し短めに仕上げました。

2日目。日曜日はまた近くの山に散策に。山にはイェドロヴァーという川があり山の上方には大きな滝もあります。かなりの急斜面、所々に巨石が転がりかなりの迫力です。

バーボフカ・ボーイズも滝目指して息を切らしつつどんどん上に進みます。

そして到着。雪解け水が川に合流し、囂々と大きな音を立てて流れています。爽やかな空気を澄んだ水の飛沫が、熱った頬に清々しく感じられます。昔はこの川の水力でガラス製品の研磨が行われていて、村の古い建物には引かれた水を利用した水車が回っていた跡を見ることができます。バーボフカでご紹介している古いネックレスの手作業による研磨が施されたビーズも、こちらの村で作られていたものがたくさんあると思います。

散策から帰ってた後は明日の本番、卵の用意です。もらうだけではなく差し上げるための卵です。:)食紅で子供たちが色付けし、真剣な表情で思い思いにシールをぺたぺた・・・。

よく見ると卵ではないものも!!(子供たちは冗談でトマトを一つ紛れ込ませてくすくすと悪戯っぽく笑っていました。:))

夕飯は私が作った巻き寿司。食にはなかなか保守的なチェコの子供たち、食べてくれるかしらと少し心配でしたが、

一番小さな娘さんも美味しいと食べてくれ、ホッと安心です。

そして、待ちに待った月曜日の朝!とても楽しみにしていたのでこの笑顔!

去年は歌えず大人が代わりに歌っていたおしりぺんぺん時のイースターのお歌も今年は子供たちだけで歌います。

一年ぶりー!!とバーボフカ息子を歓迎してくれる近所の優しいお姉さん。

なんと今年は小さな子もちょっと大きな男の子たちも、本当にたくさんに子たちが村中に繰り出してとても賑やか。大変嬉しいことです。
廃れそうになっていたチェコの伝統を(去年は私たちの他にほとんど誰も見かけませんでした。)去年私たちがみんなに思い出させたのかもしれないわねと友人と笑って話をしました。

我らが別荘にもたくさんの子供たちが立ち寄ってくれました。息子たちが用意した卵も全て貰ってもらえて大成功。

私の作ったおにぎりもこんな可愛い子が美味しいと言ってくれて、私にとっても大成功のイースターになりました。この時間はチェコ田舎ならではのもの。チェコでのご縁、友人に改めて感謝のイースターにもなりました。

 

毎年恒例スキー旅行
2023年3月11日 土曜日

また去年と同じようにチェコのおじいちゃんにスキーに誘っていただき、北チェコ地方のクリコノシェ山脈に出かけました。プラハは最近かなり暖かくなっていますが、山岳地帯は3月いっぱいまで雪があるそうで、スキーや雪遊びには十分の雪があって息子は大喜び。到着してすぐスキーと思いきや、大きいお兄ちゃんたちは学校に行かない分その日の宿題をこなさなくてはいけませんから、リビングで宿題をしていて遊び相手にはなってもらえません。

お勉強難しそうだなーと他人事のように眺めるバーボフカ息子。

外は360度、山盛りの雪です。とりあえず楽しみにしていた雪合戦&雪だるま作り。お日様が当たると雪だるまが溶けてしまいそうで、思わず「ぎゅー」

次の日は素晴らしい晴天に恵まれ、2kmほど先にある展望台にあるいて向かいました。傾斜になった斜面をテクテク歩いていくのですが、傾斜になっているためソリを持参して帰りはソリで一気に滑り降りるという計画です。

一時間ちょっとで展望台のある丘の上まで到着しました。ジャリーという展望台で1892年に建てられた石造の塔です。息子はもう滑り降りる気満々ですが、せっかくですのでクリコノシェのパノラマビューを楽しまないと残念なお天気、上まで登ってみることにしました。ちなみに塔の高さは18mあります。

中は漆喰と木の梁と螺旋階段。

快晴でとても遠くまで見ることができました。空気も清々しくとても気持ちよかったです。

ついでに隣の山小屋で一休み。こちらは従兄弟たち。ヤンチャ3人組。

あとはこの坂道を息子と二人で一つのソリに乗って、思いっきりスピードを上げて駆け降りるだけです!

次の日からはおじいちゃんのスキー教室が待っていました。第3日目も快晴です。去年に比べ、進むのも転ぶのも起き上がるのも、ずっと上手になった息子に私は外野で目を細めるのでした。

幼稚園のカーニバル
2023年2月22日 水曜日

今日、うちの息子の幼稚園ではカーニバルがありました。チェコでは「マソプスト」というカーニバルで、伝統的に行われる季節の催事です。
4月のイースターまでの間、肉食を断つ時期があるのですが、その前にガッツリお肉を食べてお祝いしましょうみたいな感じの楽しいお祭りで、チェコ中の街や村で開催されます。
そのお祭りでは大人も子供も思い思いの仮装して地域を練り歩くのですが、その仮装は厄除けと共にヒエラルキーを超えた無礼講みたいな意味があるそうです。
うちの息子は、今回本人の希望で日本のお稲荷さんに変身。とにかく全身真っ白がいいということで、私の“うそつき”襦袢と簡易の足袋型靴下を身につけて、かろうじて全身白。
お面は、去年一時帰国の際に大阪の友人に縁日で買っていただいたお稲荷さんのお面。我が家でも日頃厄除けとして活躍してくれているアイテムです。

松の針葉の咳止め
2023年2月15日 水曜日

ここ数年冬は風邪ばかりひいている私ですが、そのおかげでまたまたチェコのハーブにお世話になり良いハーブに出会う機会が多くなりました。当店バーボフカではチェコといえばガラスの国などのイメージが強いかもしれませんが、私は折に触れてチェコはハーブの国だなぁと感じます。(ハーブをたくさん使う国はチェコだけではありませんが。)

最近私の中でお気に入りなハーブは松の針葉を使った飴です。松に針葉には高い抗菌作用があり、飴や松の成分を抽出したシロップがチェコでは昔から、風邪薬や咳止めなどに使われてきました。私が愛用しているこの飴は舐めると松脂の強い風味がします。しばらくすると喉のイガイガや咳がスーッと退いていく即効性が感じられます。

ちなみに松はチェコ語でBorovice(ボロヴィツェ)と言います。

そのほかにも、風邪をひいたらカモミールティーを飲んだり、エルダーフラワーのお茶を飲んだり、またイバラの実やシーバックソーンのお茶でビタミンCを補給したり、チェコの昔からのハーブの知恵をお借りして対処しています。チェコには日本の皆さんにもおすすめしたいハーブがたくさんあります。

 

1月7日、東方の三博士の日に毎年恒例でプラハで催される王政復古のための自由と平和のパレードに参加しました。王政復古とは言っても、現在の政治の汚職や腐敗を批判し、オーストリア・ハンガリー帝国の古き良き時代を教訓にするという意味のパレード。ビロード革命を牽引した当時の若い世代『チェコの子供たち』という政治グループが中心になって、誰でも参加できる平和のパレードです。

毎年、吹奏楽団のマーチに乗って景気良く行進します。 チェコの昔から歌われる俗謡やオーストリア・ハンガリー帝国の国歌を演奏します。

パレードはビロード革命の舞台の一つであるヴァーツラフ広場からスタートです。クリスマスに日本のサンタから頂いたカメラで撮影に夢中のバーボフカ息子は、パレードを先導するビロード革命の戦士の前を歩いています。

プラハは冬らしい柔らかな日差しの晴天です。空と旧市庁舎が一段と美しく感じられました。パレードはこの旧市庁舎にある天文時計の前で止まって、オーストリア・ハンガリー帝国の国歌斉唱を行います。

旧市庁舎からプラハ城までの後半ずっと、バーボフカ息子は旗手(助手)を最年少で務めました。ちなみにこの石畳はカレル橋の上です。

プラハ城に続く階段を雛壇として参加者みんなで記念撮影。この記念写真は天皇を冠する日出る国からの代表参加者(私はいつもそのようにいつも紹介されています。)ということで私が撮影させていただきました。:)

プラハ城の正門で声明文を読み上げるとパーレドは一旦終了、みんなで居酒屋に集合して、こちらも毎年恒例、フェルディナント・ドブロチヴィー賞の発表があります。

フェルディナント・ドブロチヴィーは善良帝と称されるオーストリア皇帝で、チェコの最後の王(チェコの王としてはフェルディナント5世)のこと。フェルディナント・ドブロチヴィー賞とは、この善良で偉大な王の良政を偲び、チェコの国民にとってそのような値があると思われる著名人に送られる賞です。

賞の発表を読み上げるビロード革命の戦士、プラツァーク氏。

受賞されたのはボヘミア有数の大貴族のシュヴァルツェンベルク侯の現家長、カレル・シュヴァルツェンべルク侯。ウィキペディアはこちら。

チェコの外務大臣や第一副首相を歴任した人物で、ビロード革命後初の大統領となったヴァーツラフ・ハヴェルを支えた側近でもあります。大変ご高齢で車椅子に乗って登場されましたが、その威風は矍鑠たるものでした。いつまでもお元気でいらしてほしいものです。

この後はみんなで生バンド演奏のダンスパーティー。踊りが盛り上がってきた頃、隣で主人が「1989年以前、ビロード革命前はコンサートやダンスパーティーを催しただけで、警察に勾留されたり逮捕されたりしたんだ。こんなおかしな話理解できるかい?」と私に呟きました。参加した年配の方たちもきっとそんな時代を乗り越えてきた人たちばかり。歌ったり踊ったり、好きなことを大声で言えるこの自由さえ、彼らにとっては命をかけて勝ち取ったものなのだということを思うと、この楽しい時間がより一層とても貴重なものに感じられました。